TOTAN オススメ本
いらっしゃいませー☆

東京は青梅市にある多国籍雑貨TOTANです。
本業は雑貨屋ですが私たちは本が好きなので
各自それぞれオススメの本をぽつりぽつりと紹介しています。
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他の方の書評や本の情報等もたくさんあり購入も可能です。
実店舗では本の販売はしておりませんが
「くつろぎスペース」がありますのでそちらでお読み頂けます。

のんびりペースな雑貨屋の本のBLOGをゆったりとお楽しみ下さいませ♪
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ファッションファッショ


ファッションファッショ


●ファッションファッショ●
山田詠美×ピーコ 講談社 ¥1470

またしてもピーコさん。
というか芸能人関係の本が続いてる気がしますが気のせいってことで。

山田詠美さんは大好きな作家さんだ。
詠美さんの本を初めて読んだのは中学の頃だったと思う。

以前もこのブログに書いたけれど私の母校(自由の森学園)には
「図書室」ではなく「図書館」があった。
そこの主たちであり学校内の人気者でありヤリ手(?)の司書さんは二人。

一人は女性でちーちゃん。(今は退職されています)
『雪のひとひら』を紹介してくれたのがちーちゃんです。

詠美さんの本を紹介してくれたのは大江トトロさん。

「トトロー、何かドキドキする本ないかなぁ・・・」
「うーん。茜ちゃんの好みかはわからないけれど・・・これはどうかな?」

まるでドラ○もんのようにトトロは本棚から一冊の本を取り出した。

「風葬の教室」だったと思う。

と思う、なんてあやふやな書き方しかできないのは
この時期立て続けに詠美さんの本を読んでしまい
あまりのショックだったのか当時の記憶が途切れている為だ。

本当はそのショッキングだった本たち
(特に『ラビット病』とか『トラッシュ』とかいろいろ)
をここで紹介したいのだけど大好きな作家さんたちの本の紹介文は
なぜだか言葉が詰まって書けなくなってしまうので・・・
いつか書くことができるその日まで遠回り・・・で許してちょんまげ。

という訳でさて本題。

この本は2001年11月~2003年8月まで『Style』という雑誌に
掲載されていた連載を本にしたもので毒舌な二人を敢えて対談させる、
というなんだかとてつもなく恐ろしい本です。

※帯も含めたデザインの装丁になっている為、↑の画像は・・・微妙です。
本来の装丁はコチラ↓

帯び付きだとこんな感じ。



帯の裏に書いてある文章でまず笑ってしまった。


 詠美 「ピーコさん、忙しいのにほんとよく働くね」
 ピーコ「汚い女をキレイにするためよ!」


すげー。カッコよすぎる。

対談そのままの形式で書かれているのでさっくりあっさり読めます。
何が面白いってやっぱり二人のセンスと生き様(生き方)でしょう。


 詠美 「ピーコさんはこの春なにが欲しい?」
 ピーコ「オトコ。」
 詠美 「私はサドルシューズが欲しいな。崩しアイピーをやりたいんだ。
     だけど今、サドルシューズってあんまりないんだよね。」
 ピーコ「人の話題を流さないでくれる?」


オトナも大人、超カッコイイ話が聞ける(読める)のが

この本の特徴です(笑)

実は私は服屋(雑貨屋)をやってるくせにブランド品にうとい。
ブランドが悪いとかブランドモノを嫌悪してる、とかじゃなくて
所謂日本のブランド信仰が好きじゃないのと、新作とかに鈍感なのだ。

可愛いなぁと思ったら調べるしコレいいなぁと思うものもたまにあるのだけど
どこかピンとくるものが無くて(値段的にもか)あまり好きじゃない。

勿論この本のお二人は服飾評論家とオシャレな作家さんな訳で
ブランドの話もいっぱい出てくるのだけど

私にとってその部分は「へー」でしかない。

悲しい事に。

だけど彼女たちに何か通づるものがありそうな気がして買ってみた。
そしたらあった。


 ピーコ「スタイルというのは何を着てもその人の持ち味が出るということ
     だと思うんだけど、その人にはわからないんでしょうね。」

あー気持ち良い。爽快感溢るるコメント。
しがない雑貨屋の私にはセレブのパーティーなど無縁ですが
いつかパーティーに誘われた時の為に

この本はひとまず大切に保管しておこうと思います。

あぁ、こんな大人になりたいなぁと思わせてくれる
二人のお姉さん(?)のステキなご本を紹介致しました。

AKANE

ヘタウマな愛

ヘタウマな愛

●ヘタウマな愛●
蛭子能収(著) KKベストセラーズ ¥1365

ヘタウマ漫画家であり理想のお父さん(?)でもある蛭子さん。
TVで彼を見かける度に私はずっと「良い人なんだろうなぁ」と思ってた。

『悲劇は突然やってくる。知らん顔して近づいてくる。』

2001年8月7日。
最愛の“女房”を亡くしてしまった蛭子さん。

この人はちっとも良い人なんかじゃない。
競艇が大好きで麻雀も大好きで映画監督に憧れて・・・
見たまんまそのまんまの呆れるほどのダメ男ぶりだ。
父親の葬式でみんなが神妙にしてるのが可笑しくて
へらへら笑い出してしまうようなダメ男だ。

だけどなぜかモーレツに泣けてしまった。

好きで好きでしょうがない、超ラブラブ!
決してそんな愛し方ではないけれど
「あぁ、こういう風に愛されたいなぁ」と思った。

友達が昔、映画館のアルバイトをしてた時に
蛭子さん夫婦が映画を観にきたという話を聞いた。

どんな夫婦にもきっとドラマチックな過去があるのだろうと思う。
だけど私は「夫婦」や「結婚生活」に未だ夢を持っている。

いつまでも手を繋いで二人で映画館に足を運びたい。
映画のあとはお茶しながら映画の感想を語り合いたい。

いくつもの恋愛を経験してきた今も
そんなことを夢見る夢子ちゃんな私です。

「ダメ人間」じゃなくて「ダメ男」好きです。

AKANE

大事なことはみーんな猫に教わった


All I Need to Know I Learned from My Cat


●大事なことはみーんな猫に教わった●
スージー・ベッカー(著) 谷川俊太郎(訳)
飛鳥新社 ¥1223(税込)

私がこの本を手に取ったのはたまたまの偶然だった。
本屋さんの棚にあって他の本とはあきらかに違う妙なサイズのこの本。

↑の画像は和訳の本ではありません。なぜなら画像が無かったから。

和訳版●大事なことはみーんな猫に教わった●はコチラ(画像は無いよ)

表紙を見てあまりの可愛さに思わず唸った。
表情豊かな白猫のビンキーがいっぱいいる。

私は猫を飼ったことが無いから
私の人生の26年間はずいぶんと猫と縁遠い生活だ。

だけど猫は大好き。
実家では大きな犬を飼っているが実は私は猫派だ。

そんな訳でこの妙なサイズ(縦12.6×横17.7)の本を開いてみた。

ページをめくるとまるでポストカードのような可愛いイラスト。
ビンキーとの生活を切り取ったイラストに谷川さんの訳が一行ついている。

本屋さんで立ち読みしてる間にぺらぺらっと半分読んでしまった。

あぁもったいない。
家に帰ってもう一度初めから読み直してみる。

著者はアメリカのマサチューセッツで
グリーティングカードの会社を経営する
作家兼イラストレーターなのだそう。

グリーティングカード・・・
そうだ、アメリカ(だけじゃないけど)では
そういうカードの会社がたくさんあると聞いた事がある。

私の大好きなアダム・サンドラーのMrディーズ でも
グリーティングカードが出てきたなぁと思い出した。

この本にあるのはどれも「当たり前なこと」なのだけど
だけどそれはどれも「とても些細なこと」で
そしてそれでいて「最も大事なこと」なのである。

私のツボにハマったのがこれ。

『踏まれたら怒れ』
『踏まれたことを忘れよ』

見開きのページで1つずつ丁寧に書いてあるのだけど
この言葉の時のビンキーの表情がとてもツボだった。

シッポを踏まれてる時はけたたましいのに
次のページではうっかりそれを忘れてぬるっとした表情なのだ。

・・・可愛い。

ぐっときたのはこの言葉。

『すべてはおまえのオモチャと知れ』
『晩ご飯には自分で自分を招待せよ』
『ヌクヌクするのにいいヒザを見つけること』

どのページのビンキーもとても可愛い。

きっと読む度にぐっとくる言葉と絵が違うのだろうなぁと思うと
これからも時々本棚から抜き出して1人でこっそり読むのが楽しみだ。

ビンキーを見習って私もヌクヌクするのにいいヒザを見つけたい。

さとこの空飛び猫に続いて猫繋がりで書いてみましたが
この本は猫好きだけでなく心が痩せ細ってしまった人に
特にオススメしたいふっくらまぁるくなれる不思議な本です。

AKANE

空飛び猫

            空飛び猫  
●空飛び猫● 
アーシュラ・K. ル・グウィン(著) 村上 春樹(訳) S.D. シンドラー(画) 
講談社 単行本¥1575(税込) 文庫¥650(税込) 
 
路地裏の、まったくふつうな猫のお母さんから生まれた 
4匹の子猫たちには、背中に翼がはえていました。 
 
けれども毎日の暮らしに忙しく、 
母猫はそれが何なのかをゆっくり考えるひまもありませんでした。 
 
しかし子猫たちが育ったある日、母猫は 
ここを出てどこかへおいきなさい、と子猫たちに伝えます。 
 
日々環境の悪くなってゆくここから、 
飛び立ってゆくための翼なのだと。 
 
4匹の子猫たちは慣れない翼を使い、 
母猫の住む路地裏を離れ、遠くを目指して旅に出ます。 
(まるまるとした体を浮かせるのは 
 けっこう大変なことなのですけれども。) 
 
旅の途中で子猫たちが体験したこと、 
行き着いた先で起きたこと。 
そして子猫のふわふわさが、 
まるで目の前の出来事のようにえがかれています。 
 
「ゲド戦記」などの著者であるル・グインの思慮に満ちた文と、 
村上春樹の読みやすくさっぱりとした翻訳で、 
「文章を読んでいる」というストレスなく 
物語の世界にひきこまれます。 
 
猫が好きな人(子猫はむくむくでふわふわです)、 
空を飛んでみたい人(現実的な大変さも味わえます)、に 
おすすめいたします。 
 
さとこ 

やぎの目絵日記


やぎの目絵日記


●やぎの目絵日記●
林雄司(著) アスペクト ¥1050

どうも、ご無沙汰しまくりのTOTAN店主です。
うっかりすっかり梅雨も間近、読書にぴったりの季節到来です。
またぼちぼち更新していきますのでまったりおくつろぎ下さいませ。

そんな訳で久々の更新はコチラ。
Webやぎの目 や DPZ でお馴染みの林さん。

EZwebの公式サイト「携帯4コマ」で連載されていた
脱力系4コマ漫画が一冊の本になりました。

『あふれるウィット、ほんのりブラック。』

帯にはそう書いてありますがまさにその通り。
(さすが帯です、心を鷲掴みです)

私が林さんにハマったのはいつだったろう?
パソコンでする作業が多くなっていつしか虜になっていた。

以前このブログでも「死ぬかと思った」 を紹介させて頂きましたが
林さんの魅力は自らもイベントで「中2ナイト」を企画していた通り
まさしく「少年の心」なのだと思う。

「少年の心」が綺麗に言い過ぎならば「子どもの持つ毒」だろうか。

人間は成長の過程でいろんなことを知って学んでいく。
その学びの中で「これは人前では言ってはいけないこと」とか
「やってみたいけどしちゃいけないこと」とか
制限を知り世間常識を身に付けていく訳だけど
林さんの描く絵や文章はその境界線を見事にぶった切ってくれるのだ。

それはルール違反だろう・・・だけど面白いからなぁ。

大人になるにはそういったものを捨てたり見なかったことにしたり
知らないフリをしたり知ってるフリをしたり
他の「大人」たちと同じように振舞うことが当たり前とされてきた。

『けっこう世の中はこんなふうにできているかもしれない。』

貴方になんだかんだとごちゃごちゃ小言を言う上司も
もしかしたらこれを引き出しにいれて時々取り出して読んでるかもしれない。

その上司のまた上司も家に帰ると真っ先にこの本を開いて
一人晩酌しながらほくそ笑んでるかもしれない。

いや、その前に貴方の会社のデスクに一冊忍ばせておくべきだ。

本を開いた時にだけ現れるタイムマシンのような癒しの一冊です。

個人的には表紙の「タイコペンギン」と「双子」と「ハト」が好き。


ケイタイに付けてます。

↑やぎの目イベントでのお土産キーホルダーの「救助犬」。
店主お気に入りのエピソード。

何かを忘れてきてしまった「大人」なみなさま必見です。


AKANE

ふしぎな図書館

            ふしぎな図書館  
 ●ふしぎな図書館●
村上 春樹 (著) 佐々木 マキ (イラスト) 講談社 ¥1,500 (税込)

とにかく実際に手にとって見てほしい!
かわいい紙ケースに、ふかふかでオレンジ色の表紙の本が入っているんです。
私が持っているものは、パールピンクのきらきらしたオビがついていて
(初めて見たとき、村上春樹っぽくない!と驚きました)、
内容をどうこう言う以前に、「もの」としてとってもかわいい一冊です。

内容は、以前に「図書館奇譚」として発表されたものの改稿版。
なあんだ、読んだことあるよ、という人もいるかと思います。
でも、
「図書館奇譚」は暗く、恐ろしい雰囲気だったのに対して、
こちらはほぼ2ページごとに佐々木マキさんのイラストが入っていて、
ホラーというよりは少年探偵物のような読みごこちになっています。

「図書館奇譚」は短編小説だったのですが、
こちらはイラストが多いので、「絵本」のカテゴリーに入れました。
小さなお子さまにはちょっと読むのはむずかしいかも。
怖いのが平気なら、小学校高学年くらいからおすすめします。

図書館に本を借りにやって来た「僕」は、
受付で地下に下りるようにと案内され、
「この図書館に地下があったなんて」と思いながら
階段を下りていきます。
奇妙な老人に案内されて行き着いたのは、
広大な迷路の先の・・・?
相変わらずちょっと情ない羊男と、恐ろしい老人。
「僕」は、うまく切り抜けることができるのでしょうか?

村上春樹は「羊男のクリスマス」しか読んだことがない、という人や
村上作品の羊男の大ファン!、佐々木マキ大好き!という人に
ぜひともおすすめいたします。

ほんとにかわいいので、プレゼントにもいいかも。
ぜひともオビ付きのものを手に入れてくださいね!

さとこ

夏の庭 ―The Friends―

           夏の庭―The Friends  

●夏の庭 ―The Friends―●
湯本 香樹実(著) 徳間書店 ¥1470(税込)


この物語は、1992年にはじめて出版され、
9年後の2001年に改定版としてもういちど出版されました。
世界数十カ国で翻訳され、数々の賞を受賞しているので
ご存知の方も多いかと思います。

この本に出てくるのは、
三人の六年生の男の子と一人のおじいさん。

本書の帯で日本語版「スタンド・バイ・ミー」と紹介されているそのままに、
三人の男の子たちはある出来事をきっかけに、
死体を見てみたい、と考え始めます。

そしてなんと、近所に住む、年をとって生気のない
一人暮らしのおじいさんを見張ることにしたのです。

おじいさんを見張りつづけ、
「死とは何か?」について考えつづけた男の子たち。

死とは何か、生とは何か?
六年生の男の子がそれぞれに考えた生死感が、
大上段に構えて「教えて」くれるのではなく、
私たちにもそれぞれの生死感を問い掛けてきます。

こう書くと、なんだかとてもかたいお話のようですが、
実際の読み口は、とてもユーモラスなものです。
三人でごちゃごちゃ相談するところや、ちょっと子供っぽい行動や、
「見張る」といっても途中でだらけたりムキになったりするところなど、
読んでいてつい笑ってしまいます。

そして驚くほどきれいでリアルで感覚的な風景の描写。

最後には、「暗い」とか「重たい」とは違う、
しーんとした、静かな「考えの種」とでもいうべきものが心の中に残ります。

生や死について考えたい人にも、
「スタンド・バイ・ミー」の男の子たちの軽妙な会話を愛する人にも、
本のなかから立ちのぼるような季節を感じたい人にも、
つよくおすすめいたします。

さとこ

なぞなぞライオン

          なぞなぞライオン

 

●なぞなぞライオン●
佐々木 マキ (著)  理論社 ¥1050 (税込)

女の子が森できのこを採っていると、
ライオンが出てきて「おまえをたべてやる!」。

ライオンは女の子に飛びかかろうとしたのだけれど、
なぜかなぞなぞで勝負することに。
「うえはおおみず、したはおおかじ、なーに?」
ところが、答えは皆さんの知ってる「あれ」じゃないんです。

女の子とライオンの奇妙なやりとり。
最後に勝つのはいったいどっち?

「なぞなぞライオン」
「ヘビは、はやくち」
「しりとりなサイ」
短いお話が3話入っていて、
各話毎に6コマまんがもついています。
佐々木マキさんのへんてこでマイペースで
礼儀正しい(?)登場人物たちの会話が
ばっちり楽しめる一冊。

読んであげるなら3歳くらいから、
自分で読むなら一年生くらいからおすすめします。

(でも、はやくちのページは、読んであげるの大変ですよ!)

さとこ

ふしぎなナイフ

          ふしぎなナイフ

●ふしぎなナイフ こどものとも傑作集●  
中村 牧江/林 健造 (著)  福田 隆義(絵) 福音館書店 ¥780 (税込)

テーブルの上にあるらしき一本のナイフ。
想像力をかき立てる、ミステリアスな表紙です。
このナイフにはいったいどんな秘密があるのでしょう?
このナイフをめぐってどんな物語がはじまるのでしょう。

さて、
この絵本の主人公は、ナイフです。
そして、この本にはたった一本のナイフしか出てきません。
そして、どのような物語も起こりません。

でも、とてつもないことが起こりはじめます。

リアルにえがかれた、「現実」「日常」そのもののナイフ。
そのナイフが引き起こす、様々な「変容」が、
見るものを驚かせ、感嘆させ、「非日常」へと連れ去られてしまいます。

刃物が主人公ですが、恐ろしい表現は一切ありません。
小さなこどもから大人まで、幅広くおすすめいたします。
2~3才くらいから絵だけで楽しめると思います。
本文はすべてひらがなでとても短いので、
5才くらいから一人で読めるかと思います。

無音の世界で一人どきどきするような、
沸き起こるような非日常をぜひ体験してみてください。

さとこ

追記
画風は全然違うのですが、エッシャーやダリの絵がお好きな方には、
とくにおすすめいたします。

ばかのたば

ばかのたば

●ばかのたば● わかぎ えふ(著) 集英社文庫 ¥500


なんともおめでたいこの表紙。
さすがえふさんです。

※えふ→ゑふさんというのが正しい表記のようですが
本からの情報を元にしているので敢えてそのまま明記します。

昨年お亡くなりになられた中島らもさん。
彼の元秘書であり芝居仲間であり女優であり
演出家であり劇作家であり作家であるえふさん。

えふさんはリリパット・アーミーⅡの主宰でもあります。
(名前が変わっていたのは知りませんでした。
遠い昔にTVで放映されてたのをビデオで観たことがあります。)

えふさんのことはチラチラと知っていたのですが
実は初めて彼女の本を読みました。

最初に出版されたのが1995年。
文庫化されたのが1999年。

それなのに年月を感じさせることの無いこのバカさ加減。
めちゃくちゃかっこえぇ~です!見事な女っぷり!!

TOTANオススメ本BLOGを読んで下さってる
一億数十万人の奇特な方々の男女比はどれくらいなのか
私にはわかりませんが、この本は老若男女問わずに
読んで頂きたい一冊として今日はご紹介したいと思います。

私は常日頃から『「オモシロイことをする人」が面白い』
ではなくて『「フツーの人を面白いと感じられる人」が面白い』
そう思って毎日を生きています。(大袈裟か)

例えば多分、会社や学校や家庭内でまわりを見渡すと
信じられないようなドジをする人や
奇行や奇声(雄叫びではなくて)を発する人というのは
みなさんも実際には頻繁に目撃していると思います。

人によってはその「奇人」のせいで
毎日の出勤や通学が苦になってしまったり
その「奇人」によって迷惑を被ったり
時にはその「奇人」を憎むことさえあるかと思います。

だってその「奇人」さんは自分では
まさか自分が「奇人」だと思っていないのですから。

そんな訳で世の中にはイライラさせられるバカな人(私)や
何度も同じことを聞いてくる物覚えの悪いバカな人(私)や
はたから見ればあきらかにバカな人(私)というのは
意外にたくさんいるもので石を投げれば必ず当たります(私)。

そんなごくフツーに世間に蔓延っているおバカさんに
スポットライトを当てられる人というのが先程書きました
『「フツーの人を面白いと感じられる人」』たちです。

えふさんのまわりは確かに演劇関係者が多いだろうから
私もかつては「演劇かじった関係者」のはしくれなので
どれだけ異常な世界の住人が多いかはなんとなく想像できます。

だけどそれは「特殊」ではないのです。

アナタのまわりの「奇人」さんや「おバカ」さんも
くくってしまえばただのばか。いえ、ばかのたば。

イラつかせるおバカさんも、
がっくりとうなだれてしまうようなおバカさんも
きっとアナタの考え方一つでアナタだけの
素敵なパラダイスの住人になってくれることでしょう。

あ、また本の内容を全くお話していませんでしたね。

この本にはえふさんの身近なおバカさん(女性が多い)や
えふさんの耳に入ったおバカさん情報が満載です。

そしてアナタのまわりのおバカさんを好きになれる一冊です。

読んでいて「あっはっは~っ!」とどれも本気で
大笑いしてしまう本なのですが
中でも特に気に入ってしまったエピソードは

◇哀れなルージュ

というタイトルのお話。

えふさんの知り合いのそのまた知り合いのMさんという
『容姿端麗、才女で結婚式のスピーチで褒め称えられる女』。
そんな彼女がバスの中で口紅を直すことから
おバカ人としての人生が始まってしまう・・・

ま、だいたい「乗り物の中での化粧」というのは
眉毛が極太に・・・!とかアイライナーが眼球に・・・!とか
口紅が鼻の穴に・・・!とかそういう話であることは
ご想像できると思います。だがしかし。

確かにこのお話の中盤は上記のどれかです。
(タイトルに「ルージュ」ってバリバリ書いてあるし!)

そんなとこ(オチ)で終わらないのが
この本の最大の魅力と言っても過言ではありません。

さてさて東大出の才女Mさんはどうなってしまうのか。

書きたいです、ものすごーーーーーく。
だけどここで書いたらそれこそバカというもの。

なので続きはお手元のご本でお楽しみ下さいませ。
多分、損はしないと思います。
アナタが『「フツーの人を面白いと感じられる人」』なら。

なんて書き方しちゃうのってズルイですよね。
でも今日はちょっとイジワルな気分で終わりたいと思います。
昨日のエイプリルフールにこのBLOGでやりたかった企画を
できなかった腹いせです。(誰に?)

企画というのは事前準備が本当に大切だと痛感致しました。

そんな訳で久々のTOTANオススメ本BLOG更新でした。
「積ん読」がわんさか増えています。
お母さんもう食べられないよぅ・・・ムニャムニャ。

AKANE

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