12万円で世界を歩く | TOTAN オススメ本

12万円で世界を歩く

            12万円で世界を歩く

下川祐治(著) 朝日新聞社 ¥756(税込)

この本はハッキリ言って下川さんの本の中では
あまり良いデキではないと思います。

というのも「旅本」の代名詞のような彼の著作には
アジア赤貧旅行、バンコク下町暮らし、アジアの友人
アジアの困ったちゃん、バスの屋根から世界が見える
バンコクに惑う、アジアほどほど旅行、アジアの誘惑
(順不同)などなどなどTOTANにもいっぱいありますが
「この12万円で世界を歩く」のスピードでは旅の良さよりも
題名通りの予算でどれだけ行ける(過ごせる)か?
という所に最大のポイントがあるためです。

ではなぜこの本をオススメするのか?

店主にもよくわかりませんがそれはきっと
タイトルのインパクトの大きさだと思います。

・・・ごめんなさい。

日本がまだバブリーだった1988年6月。
海外旅行ではツアー全盛期(?)だったこの頃
朝日新聞の企画として始まった旅の記録です。

◇タイ・マレーシア・インドネシア
◇ネパール(ヒマラヤトレッキング)
◇韓国一周バスの旅
◇中国(神戸から船で長江まで)
◇チキンラーメンで凌ぐアメリカ大陸
◇北京発ベルリン行き28日間世界一周
◇インドを列車とバスで横断
◇恐怖のドル払い地獄のキューバ
◇中国・香港・マカオ・台湾をクルージング
◇カナダ最北端と北極圏
◇“味の素ロード”を行くタイ・ミャンマー
◇神戸からアテネへ(中国・パキスタン・イラン・トルコ・ギリシャ)

中には12万円を越えてしまう旅もありますが
(世界一周などは企画段階からオーバーさせていたみたい?)
企画といえども本当に12万円しか持たせてもらえず
本人もカメラマンも相当困惑していたようです。

レートや航空運賃の差には時代を感じるし
そのことは著者も文庫版のあとがきや本文で書いています。
(今なら多分12万円でも優雅な旅になるでしょう、と)

『貧しい旅でなければ見えないものもある』

下川さんと言えば「貧乏旅行」ですが(失礼ですが)
この本は貧乏旅行の教科書のような本だと思っています。

今、手元に自由にしていい12万円があったら・・・
みなさんはどうしますか?

AKANE