金もーけプロジェクト | TOTAN オススメ本

金もーけプロジェクト

            k.m.p.の金もーけプロジェクト。

ムラマツエリコ なかがわみどり(著)
メディアファクトリー ¥924(税込)

私は雑貨屋の店主なのでよくいろんな人に
「お店持つなんて凄いですね~」とか
「どうやったらお店を作れるんですか?」とか
素朴な疑問からその人の将来に繋がる相談(?)まで
いろんな方向で質問されることが多いです。

実際はぐうたら能天気なただの人なのですが
肝っ玉おっ母っぽい風貌ゆえなのでしょうか。

そんな訳で今回ご紹介する本は
「お店を持ってみたいと思ってる人」
「自分の作ったものを売りたい人」
「どうやって生きていくか決めかねてる人」に
読んで頂きたい本をご紹介します。

まずは k.m.p. の名前の由来から。

そのものズバリ
「金(k)もーけ(m)プロジェクト(p)」。

一攫千金の本でもねずみ講の本でもありません。

会社という枠の中から飛び出して
「好きなことを仕事にして生きていこう」という
お二人の初期の頃を正直に描いた本です。

同じ職場にいた頃の二人はそれぞれいくつも
仕事を抱えながらあれこれ話したり、ものを作ったり
フリマに出店したりしていました。

仕事をやめる=それはお給料が無いということ。

それでも「好きなことを仕事にしたい」と会社をやめ
フリマに出たり雑貨を委託したり試行錯誤の連続。

「お休み」も「ボーナス」も「残業手当」もつかない毎日。

「すきなこと」だけですぐに食べていくのは難しく
アルバイトを重ね、その経験すらも作品や
ディスプレイの参考に生かしていく二人。

今では「旅本作家」や「絵本作家」を主に
イラストやグッズ販売(ネット通販)なども手がけ
彼女たちの本は重版再版品切れ続出で
発売日などには平積みされている程のお二人ですが
河原でクリームパンを半分こしたり
フリマで予想以上の売上があると狂喜乱舞して
百円くるくる寿司に向かったり(笑)

いつかはふっかふっかのホットケーキを食べるぞ!と
コツコツがんばってきた二人。

この本から学べることは
すきなことで『仕事』をつくることだけじゃなくて
仕事仲間としてのお互い(相手)を思いやることだったり
ものを作ることや工夫することの楽しさだったり
失敗からの発見だったり二人で何かをする時のコツだったり
麦茶のおいしさだったり(笑)貧乏ならではの視点だったり
「楽しむ」ことの面白さだったりと色々です。

実は去年k.m.p.の通販で私はカルトゥーシュを購入しました。
(エジプトのヒエログラフィーを使ったアクセサリーです)
ペンダントトップのみの注文というとても小さなお買い物でしたが
丁寧かつとても温かいお二人の意気込みたっぷりの包装と商品に
私はただただ感激したのでした。(ミーハーだからではなくて)

勿論「好きなことを仕事にする」にはそれなりの才能と
努力や評価が必要なのは大前提です。
だけどやっぱり仕事は機械がするものではなく
人がするものなのだ、と改めて感動したのでした。
信用だったり信頼だったり気持ち良さだったり。

この本はご本人たちも「文章が多いので疲れますよー」と
おっしゃっているのだけどかわいくてオトボケなイラストたち
だけではなくしっかり読み応えがあります。(そこがk.m.p.!)

私は今でも疲れるとこの本を読み直します。
「ムラマツさんとなかがわさん」を勝手に
「私とさとこ」に置き換えながら読むのです。

笑いながら泣きながら
希望とコーフンを与えてくれる大切な一冊です。

■k.m.p. のお二人のホームページはコチラ■

AKANE