タイでオモロイ坊主になってもうた | TOTAN オススメ本

タイでオモロイ坊主になってもうた

           タイでオモロイ坊主になってもうた

●タイでオモロイ坊主になってもうた●
藤川チンナワンソ清弘(著) 現代書館 ¥1890

私は今までに友達や見ず知らずの物好きな(失礼!)
皆様にいろんな本をオススメしてきました。

それは実生活でもそうで面白い本やモノを見つけると
面白さを誰かと共有したくてたまらなくなってしまうのです。
それは私が自己中なせいでもあるし、誰かと繋がりたいという
想いの形なのかもしれないなぁと最近思うようになった。

でも、1番感じている事は
「面白い」とは私にとって財産なのだ ということ。

つねづね迷惑な共有財産だと思う。
だけど私には富や名誉や実績はないけども
オモシロイものならたんまりあるぜ、という
自信でありこだわりであり自己表現なんだと思う。

今日の一冊は多くのみなさまがひいてしまうかもしれない本。

というのもタイトル通りお坊さんのお話だから。

今ちょっと「えー。」って思いませんでしたか?
それとも一瞬画像を見てここまで読んでくれないでしょうか?

でも安心してください。
だって私は「オモシロイモノ」が好きなAKANEですよ!
本はとにかく色々買い漁っているけど勿論、面白くない本や
書き方が斜に構えてるようなエラソーでムカつく本を(失礼!)
間違って買っちゃったことだっていっぱいあるけど・・・
ここでオススメするのは「オモシロイ本」だけです。

面白いからオススメしたいのであって
面白くなかったり嫌いな本は公に批判したくはないので
(好みの問題だとも思うけど)
本棚の影の方にひっそり置いてあります。

見るのもイヤな本は箱にしまってあります。

だって自分が好きな本(モノ)を誰かが批判してたら
それ見ただけでイヤな気持ちになるから。(経験済み)

日本人ぽいのかもしれないけれど
WEBでイヤな気持ちになるのももう疲れたので。

そんな訳で話を戻しますがこの本!
・・・すごいです。それ以外の言葉が浮かびません。

前もって言いますが私は「無宗教」です。
そしてどっちかというとキリスト教寄り(プロテスタント)。

だけど仏教って面白いし嫌いじゃない。
そしてもっともっと知りたいなぁと思う。

仏教と言っても系統がたくさんあるので一口には言えません。
私がここであれこれ書くよりみなさまの方がお詳しいかも。

物凄く大まかにい言うと仏教とはご存知の通り元々は
「ブッダの教え」が始まりなのですが、
年月をかけて広まっていく間に枝葉ができ
今では世界中に根を下ろしています。

藤川さんはテーラワーダ仏教「上座部仏教」のお坊様です。
日本では別名「原始仏教」「根本仏教」とも言われているのだそう。

お坊様の藤川さんの本がなぜそんなにも面白いのか。
それは藤川さんの過去に関係があります。

お坊様や悟りを開いた人々の中には
色々な過去を背負った人が多いと聞きます。
藤川さんもその一人。にこやかな笑顔からは
全く想像のできない過去をお持ちなのです。

鑑別所から出てきた当時の肩書きは
「住所不定、組織暴力団K組少年予備軍」。

働く事もせず繁華街をうろつき酒と女
恐喝ケンカに明け暮れる毎日。

建築屋社長に育てられ独立しやがては
金が全ての金の亡者になっていった藤川さん。

バブリーな地上げ屋を地で経験しているのだ。

女と酒と金に糸目をつけず
ゴロゴロ土地を転がしては肥えていった。

さて、そんな藤川さんがなぜお坊様になったのか。

そこがこの本の面白いところであり
藤川さんの魅力でもあるのだ。

藤川さんは作家ではないから、この本を
書くにあたって相当な苦労をされたそう。
確かに話が飛んだり戻ったりで
読みにくいと感じる部分は多少はある。

だけど人間、実際に話をする時に
きちんと筋道を立てて順序もありのままに
自分のことを話せる人間がどれだけいるだろうか。
(少なくとも私はムリです^^;)

話が飛んでも着地する場所にはまた意味がある。

この本ではブッダの教えも藤川さんの言葉で
書いてあるので彼の過去だけではなく今、振り返って
自分で昔の自分を振り返る藤川さんも見られる。

関西弁で汚い言葉も素直な感情も露にした
藤川さんの人柄が読む人を引き込んでいく。

ガツン!とカウンターパンチを喰らいます。

人間って何才からでも生き方を変えられるんだ。
当たり前なのに実行しようとしても容易くできるものじゃない。

だけどこうして生き方を変えた人がここにいる。

これはとてつもない人間史だと思う。

私がこの本を知ったのは恋するアジアです。
(季刊発行のミニコミ誌です。WEB日記も面白いよ!)

まわりを見渡せばいろんな大人がいるけど
もっといろんな先輩たちの話を聞いてみたい。

こうして藤川さんの半生を本として
残してくれた事に感謝したい気持ちで一杯です。

これは読むべし!

「いてよし」って言われたような気がして
パワーをもらえるそんなすてきな本です。
(ドラマ「すいか」の教授みたいにね!←パクリですみません)

AKANE