TOTAN オススメ本 -4ページ目

わたくし的読書

           わたくし的読書

●わたくし的読書● 大田垣晴子(著)
メディアファクトリーダヴィンチ編集部 ¥998

本をオススメするBLOGを始めて
今日で1ヶ月になります。

今までも店主の日記で勝手に本や映画を
紹介をしてはいましたが(仕事に直接関係が
ある訳じゃないけど単に本が好きなだけです)
こんなにマジメに不特定多数の方々に向けて
本の話をするのは初めてのことだと思います。

1ヶ月たった今もまだまだ慣れることは無くて
むしろ気になる箇所が物凄く目に付いちゃう。
(更新頻度も一定にならなくてごめんなさい)

店主の修行のような本紹介にあきれながらも
おつきあい下さってありがとうございます。
お読み頂いてるみなさまもまた修行のつもりで
店主の難解なテンションに慣れて下さいませ。(笑)

そして一緒にこのBLOGを書いてくれている
さとこユッキーにも感謝します。

これからも面白い本をいっぱい読んで生きたいです^^

という訳で大好きなイラストレーター&エッセイストの
大田垣晴子(←間違われる事が多いそうですが「セイコ」)
さんの作品の中でもクールで温かい視線が大好きなこの一冊。

そう。憧れの大田垣さんも本の紹介をしているのだ!

店主は昔ダ・ヴィンチで大田垣さんを知って
以来ちょくちょく本を揃えています。

ほんわかしておきながら芯のある彼女のイラストが
簡潔な文章に花を添え、味わいを深くしています。
イラストよりも文章が多めなので読み難い人もいるかも。

店主は小学生の頃から作文が大好きでした。
だけどいつも原稿用紙が足りなくなる子だったんです。
つまりダラダラダラダラ書いてしまう子。

長ければいいってもんじゃないのよねー。
わかっちゃいるけど直せない!(直したいのよ!)

だから簡潔で理路整然としていてそれでいて
小技のある文章や読み手を巻き込む文章、読み手を
操る文章などを書く人を本当に尊敬しています。
そういう人たちってほんと頭いいんだろうなーって。
比喩が上手な大人も憧れです。抽斗いっぱいありそう。

大田垣さんもその一人。

本の紹介をしているBLOGや雑誌はたくさんあるけど
読んだその人がどう感じたのか、どんな気分になったのか
それらをネタバレすること無くサラリとやってのける
プロはさすがだなーと思います。

本との出会いは「第一印象」が重要だと思っています。
映画やお芝居や芸術もその点は確かに同じなのだろうけど
本の特徴は「読み手の頭の中で作られる」から。

面白そうだけど読む気はしないなーとか
そんな程度じゃなくてもっと「ビビビッ」ときてしまうもの。
「うわー読みたい読みたい!」って思うもの。

自分の言葉でそんな文章が書けるように・・・
いつかなれたらいいな。

この本ではマンガや小説やエッセイ、実用書など
とにかくいろんな本を紹介しています。

彼女の描く「食」と「性」と「どうでもいいこと」
はサイコーです。ほんと尊敬しています。

という訳でこのBLOGの1ヶ月記念は
大好きな大田垣さんの本をオススメさせて頂きました。

AKANE

雪のひとひら

           雪のひとひら

●雪のひとひら●
ポール・ギャリコ(著) 矢川澄子(訳) 新潮文庫 ¥460

世界の三大ポールと言えば

◇ポール・オースター
◇ポール・ギャリコ
◇ポール・牧

ですが(ツッコミ大歓迎です)
その中でもおとぎ話のような温かくて
ほんのりせつないお話を書いているのが
今日ご紹介するポール・ギャリコです。

この本との出会いは私が中学生の頃に遡ります。

私は先生に恋をしていました。
私の学校には図書館があって(図書室ではなく)
トトロとちーちゃんという二人の司書さんがいました。

ある日の午後、恋する乙女だった私は
(やることもなく図書館をふらついてただけ)
何か心がほっこりするような本はないかな?と
ちーちゃんに相談しました。

その当時の私が読むものといったら
ミステリーと漫画がほとんどで
(赤川次郎とか内田康夫とか)
演劇にハマっていたこともあって古本屋で
戯曲を探すのが趣味だったような子どもでした。
(今思い出したけど大好きな山田詠美もトトロから
薦められたんだった・・・ありがたいことです)

そんな中ちーちゃんからオススメされたこの本は
外国人作家ということもあり読み始めるのに
ちょっと苦労したことを覚えています。

季節や空気を感じながら
旅をする雪のひとひら。

無理矢理ぎゅうぎゅうに押し潰されて
ゆきだるまの一部にされた時は
なぜ自分がこんな目にあうのか訳もわからず
悲しみにくれてしまったり。

自分をつくりだしてくれた
どこかの誰かへの深い愛。

自分はなぜ生まれたのか。
そしてどこへいくのか。

女の一生を描いたとも言われるこの作品。

おとぎ話のようだからって油断は禁物です。
読者の多くはこの本の端々で
リアルな現実と直面することとなるでしょう。

ひらがなが多いので小学生位からでも読めると思います。

バレンタインの夜、本を読みながら過ごすのも
悪くないなぁって思ってもらえたら嬉しいです。

AKANE

女ともだち

            女ともだち (1)

●女ともだち●
一条ゆかり(著) 集英社 ¥407(税込)

みなさん「少女漫画」はお好きですか?

男性の多くは「少女漫画」苦手ですよね。(店主調べ)
ですが少女まんがをあなどるなかれ!

といっても今日ご紹介するのは少女漫画の女王
一条ゆかり先生の作品です。

一条ゆかりさんと言えば少女漫画界だけでなく
漫画界の女帝とも呼ばれています。

食通でお酒大好き、○○才でも現役バリバリの恋愛上手
みなから恐れられる美女であり小悪魔でもある・・・

その才能を活かして(?)ダイエットや恋愛に関する
エッセイなども色々描かれています。

そして勿論それは「少女漫画」からも
読み取る事ができます。

そう、彼女の本は「少女漫画」の域を
越えているものばかりなのです。

店主は小学生の頃は「りぼん派」でした。
(他に「なかよし派」「花ゆめ派」等がいました。)
その中でも漫画家の老舗(?)っぷりの素晴らしい
この「女ともだち」には目を見張りました。

落ち目で大根役者、フェロモンだけで
売っていると言われてる美人女優の叔母と
暮らす高校生「菜乃」が主人公。

「女子高生」が主人公と聞いて
ひいてしまう人も多いだろうと思います。
でもそこが一条マジック!

次から次へと彼女の前にはいろんな問題が
まるで何かに導かれるかのように起こります。

「恋愛」は大きなテーマでもあるのだけど
タイトルの「女ともだち」がベースなのです。

洋服や風景などはこの本の出版された
90年代のものですがこのテーマは永遠です。

一条漫画の特徴は「センスとテンポの良い会話」に
こそあると店主は思っています。

それはまるで海外コメディドラマのよう。
(ERやアリーmyラブやダーマ&グレッグのような)
↑某国営放送のものばかりなのは気にしないで。

小気味いいテンポとウィットに富んだ会話は
読む人をググイと物語に惹きこむのです。

しかもそれが「カッコつけ」では無い。

やはり彼女は女王です。

少女漫画を読まず嫌いな方、彼女の作品で
目覚めてみてはいかがでしょうか?

バレンタインデーを目前に控えた今、
「オンナの心なんてわからねーよ!」と
お困りの男性たちに読んでもらいたい一冊です。

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このBLOGを読んでくださっているみなさまへ。

現在お店を模様替えしています。
そんな訳で数日は更新にムラが出てしまうことを
どうかお許しくださいませ。
更新できなかった日はあとから更新しますので
左上のカレンダーをチェックしてくださいませ^^

ご迷惑をおけしますが見捨てないでやってくださいませ。

AKANE

世界の不思議なお守り

            世界の不思議なお守り

●世界の不思議なお守り●
進藤幸彦(著) 平凡社 ¥1600(税込)

「お守り」と言ってもこの小さな日本だけでもとにかく
さまざまな形や用途(効能?)のものがありますよね。

宗教と密接な関係があるものから
先祖代々伝わったもの、その土地にまつわるもの
誰かとの約束の記念の何気ないものだったり。

TOTANは「アジア雑貨」ではなく
「多国籍雑貨」を名乗っています。
というのもアジアだけでなく世界中の面白いモノ
キレイなモノ、何気ないモノを扱いたかったから。

そんな訳でTOTANにも
色々なお守りグッズがあります。

所変われば品変わる
そしてそこに生きる人々も変わります。

でも同じ「人間」なのだから
場所が変わっても変わらないものもあります。

それは「願い」です。

裕福になりたい、子どもが欲しい
病気やケガなどの不幸を遠ざけたい
五穀豊穣、相手の浮気癖を治したい
魔よけ、平和の祈りなどなど。

幸せを願う気持ちは万国共通です。

それはいつも身に付けるものだったり
大切にしまっておくものだったり
家の一番良い所に飾ってお供え物をしたり
玄関に吊る下げておくものだったり
土に埋めてしまうものだったり
燃やしてしまうものだったり。

似てる所もあれば全然違う所もある。

この本は「お守り」を通してその土地に生きる人々の
生活や文化を知ることができる面白い本です。

カラー写真も多いので旅行へ行く前の
「お土産リスト」にも使えると思います。

太古の昔から人々の「願い」を引き受けてきたお守りたち。

ユニークなお守りからグロテスクなものまで。
どこか似ていてどこか違う。

そんな楽しさを味わえるステキな本です。

AKANE

インドの大道商人

            インドの大道商人

●インドの大道商人●
山田和(著) 講談社文庫 ¥1200(税込)

文庫なのに千円を越してるその訳は読めばすぐにわかります。
そう、この本は写真が物凄く充実しているのです。

写真家でもある山田和さんが1979年から11年間の間に
行った大道商人へのインタビュー300件の中から選ばれた
110件が写真とともに掲載されている本です。

エスニック雑貨店店主のくせに私はインドへ行った事が
ありません。だからかインド関連の書物は今や本棚の半分を
占めているという事態になっています。早く行きたい・・・

インドには耳掃除屋がある

インド通でなくてもTVなどでご存知の方も
多いのではないでしょうか?

私にとって未知の国であるインドには
想像を遥かに超える職業がたくさんあるのです。

◇木の葉のお皿売り
◇手作り香水売り
◇時計の防水加工士
◇針金細工売り
◇錠前屋
◇代書屋
◇蛇使い
◇手品士
◇洗濯屋
◇アイロンがけ屋
◇マッサージ屋
◇歯ブラシの木売り
◇サンダルの鼻緒屋さん

これらは全て路上の「大道商人」です。
つまり青空商店なのです。

一度でもインドに行かれた方には懐かしく
私と同じにまだインドに呼ばれてない方には
とても奇妙で興味深いのではないでしょうか。

驚くべきことに歯医者さんまでもが路上にいます。

以前バンコクへ仕入れに行った時のことですが
日本に帰ってきた私は安堵と共に
とてつもない違和感を感じました。

路上がきれいなこと。

綺麗といっても放置自転車やゴミはあります。
人だって行き交うし活気が無い訳ではありません。

どちらかというと「キレイ」よりも「つまらない」と
言ったほうが的確かもしれません。

バンコクだけでなくインドもその他アジアや
世界の多くの国々には「屋台」があります。
(規制されてしまった国もありますが)
もしくはマーケットと呼ばれる市場が。

日本で路上に屋台が現れるのはお祭くらいでしょうか。

生活や文化の違い、と言ってしまえばそれまでですが
バンコクの路上はまるで毎日がお祭みたいに
私をワクワクさせてくれました。

話は戻ってインドです。
インドにはご存知の通り「カースト」があります。
国家としてはカースト制度の一部を
廃止したという事ですが旅好きな友人たちに聞くと
「実際にはまだまだある」とのこと。

そう、カースト制度にはインドの人々と
切っても切れない根強い関係があるのです。

この本には大道商人とカースト制との関係、
そして300ものインンタビューの裏話や
そこから見えてくる人々の暮らしと生き様も
彼の鋭くて温かい視線で描かれています。

インタビューの謝礼を一切しないことで
ウソの無いほんとうの姿をカメラに収めたという
とても貴重でとても面白い本になっています。

いつかは私もインドへ・・・
店主の「インド本集め」は終わりません。

※「ノン・フィクション」か「フォト」か迷いましたが
独断で敢えて「旅本」に入れさせて頂きました。

AKANE

お湯のグランプリ

            お湯のグランプリ―誰も書けなかった入浴剤文化論

●「お湯のグランプリ」-誰も書けなかった入浴剤文化論-●
パラダイス山元(著) 角川文庫 ¥700(税込)

今夜も冷え込んでいますね。
みなさんお風呂タイムを満喫してますか?

今日ご紹介するのは「マンボ」「マン盆栽」でお馴染みの
ミュージシャン兼グリーンランド国際サンタクロース協会から
正式に認定されているアジアで唯一のサンタクロースでもある
自称「風呂ーリスト」のパラダイス山元さんのご本です。

NHKの「たこやきなんぼマンボ」も彼の歌だったのね。
(この本を買ったのは3年くらい前なので・・・)

この間、店主はお休みを頂いて日光に遊びに行きました。
青梅は寒いと思ってたけど栃木はもっと寒かった・・・
雪の露天風呂はもうほんとうに最高でした。(しかも貸切状態)

青梅は宿場町でしたので足を伸ばせば温泉街もあります。
市内にはかんぽの宿もあるし奥多摩には温泉も鉱泉もあります。
青梅の隣町「入間市」や車でちょこっと行った
私の出身地「昭島市」にもスーパー銭湯があります。

家はユニットバスなので大きなお風呂は日常的な「憧れ」です。
だけど家のお風呂でしかできないことがあります。それは

◇入浴剤を使う事

そして

◇入浴後に素っ裸でフラフラすること

これらは店主にとってかなり重要です。
今日はそんな「家では裸族」なみなさまに「内湯」ならぬ
「家湯」を満喫して頂こうと思います。

この本は彼の趣味嗜好の範囲で書かれたものなので
まえがきにもそのことが注意されています。
6段階に分かれた格付評価は以下の通り。
(☆は本文では温泉マーク。★はイヤそうな顔マーク。)

☆☆☆☆☆-----毎日でも入りたい
☆☆☆☆-------超超超超イイ感じ
☆☆☆---------お金を出してまで入る価値がある
☆☆-----------誰かからお歳暮で貰ったんだったら許せる
☆-------------白湯に入るくらいなら入れてみてもいいかも
★-------------これに入るくらいならまだ白湯の方がマシ
        orこれなら今日はお風呂に入らない

かなり厳しい格付です。
そしてこれぞ風呂ーリスト!と思った言葉がコレ。

『なぜあまりオススメできない★の入浴剤を取り上げたかというと、
なかなか内容が想像できない商品であるだけに、
いつまでたっても気に入ったものにめぐり会えずに無駄な出費を
読者の皆さんに強いらせてはイケナイという思いからです。
~中略~
メーカーの開発担当者に対する率直な意見もここでは述べさせて
いただいてます。中には耳の痛い苦言もありますが、お客様相談室に
電話して個人的にお願いするよりもこうした考えをこの場で述べさせて
いただく方が、いい意味で刺激になると思い、そうしました。
連絡先の電話番号すら表示のない商品にはここ以外でいったいどこで
言えばいいというのでしょう。』

そうなんです。
私もかなりの自称入浴剤マニアですが失敗は多いです。
なんとなく「コレはだめそう」という勘は身につきましたが
使ってみるまでやっぱりわからないのが入浴剤です。
(肌に合う合わないもあるし、好みの部分がかなりあるから)

温泉に行くより、スーパー銭湯に行くよりは安いけど
ほとんどが1袋¥100以上だし場合によっては小袋ではなく
ボトルや大袋で購入しなければならないこともあるでしょう。

あぁ、やっぱりパラダイス山元さんは私のサンタクロースだわ。

ちなみに私の個人的ベスト3は
◇ツムラのソフレ フローラル  (四季を問わずオススメ)
◇ヴァンベルあんかけ湯 はっか (夏はコレ!)
◇クナイプ ユーカリ      (これも夏ですね)

みなさまもどうぞ素晴らしいバスタイムを!

みんな!お風呂楽しんでるか~いっ?「家~ィ!」
おあとがよろしいようで。


AKANE

東南アジア四次元日記

            東南アジア四次元日記

宮田珠己(著) 旅行人 ¥1365(税込)

日本全国の“おかしなモノ”好きなみなさまこんばんわ。
寒い寒い2月の夜、いかがお過ごしですか?

のっけからいきなりテンションおかしくてごめんなさいね。
最近「自分が人様のご本を人様にオススメする」ことに
ちょこっとだけ違和感を感じ始めている店主AKANEです☆
(緊張するとヘンなテンションになっちまいます)

さてさて今日ご紹介する本はタマキングの本です!
え?誰それ?伏せ字にしなくてイイの?と思った貴女はするどい!

現在日本で大ブームを巻き起こしている「巨大仏マニア」の元祖
宮田珠己さんの「東南アジア四次元日記」の登場です!!

・・・ごめんなさい。
始めにお断りしますがこれを書いてる今も笑いが止まりません。
試しに貴方もこの本を手に取ってみてください。

この本は
◇表紙から笑わされます。
◇まえがきでヤラれます。
◇一冊読むとやつれます。
◇突如旅に出たくなっても知らないよ。

「会社をやめて旅に出た」人やその人の本は
掃いて捨てるほど世の中に出回っていることでしょう。
「観光地には行かない旅」をする人もたくさんいるでしょう。
「旅先で日本語を教えるハメになった」人もまぁいるでしょう。

でもこの人には敵わないと思います。
だってそもそもおかしなアンテナが立っているのだから!

小気味いいテンポの語り口でサクサクと読み進めていくとガクッと
落とされます。脱力系の罠がそこかしこに張ってあるのです。

この人の文章はラップ(音楽の)みたいだなぁと思う。
勢いに飲まれて読んでると足元すくわれます。

さてさてタマキングのアンテナとはなんなのか。

目次を読んでみましょう。

1  笑う庭 香港
2  ココナツ教団ロケットの謎 ミトー
3  顔の林 アンコール遺跡
4  不思議盆栽調べ ハノイ
5  変な寺だけ見て帰った男 ノンカイ、ビエンチャン
6  ラオスの山里で不本意だった ナンバク
7  精霊無法地帯 マウントポッパ
8  迷子マイラブ パガン、ピンダヤ
9  仏像あふれる素敵な町 モニワ
10 オカマ網、大突破 タウンビョン
11 築山をうろついて マンダレー、ヤンゴン
12 地獄の沙汰も遊園地 バンコク

なんなんでしょうこの危うさ。
ってかココナツ教団ってなに?

ふふふふふ。

私は日頃から人間の持つ「アンテナ」にとても
面白さを感じています。言い換えれば興味の方向。

例えばなにげなく入った本屋さんでも
その時々のアンテナによって見る場所や
目に入る本が違いますよね?(私だけ?じゃないですよね?)

日本には古来からの良い言葉があります。

「類は友をよぶ」

“おかしなモノ好き”な人には“おかしなモノ好き”な
アンテナが立っていてそこから発せられる“電波”は
結果的に“おかしなモノ好き”な人が喜ぶモノと人を集める。

さぁみなさん、怖がらないで貴方もアンテナを立てるのです。
それはきっと笑顔の生まれるアンテナなのですから・・・

■宮田珠己 ファンサイト「タマキンガーの部屋」はコチラ■

AKANE

サイゴンのいちばん長い日

            サイゴンのいちばん長い日

近藤紘一(著) 文春文庫 ¥500(税込)

ベトナム戦争。
『1960年代初頭から1975年4月30日まで
ベトナムで繰り広げられた南ベトナム(+支援したアメリカ)と
北ベトナム(+支援したソ連、中国)との武力衝突のこと。』

社会科の授業では習ったけど私の生まれる前の戦争だ。

私が「戦争はまだ地球に残ってるんだ」と
知ったのは中学生の頃。湾岸戦争でした。
あの朝の花火のような鮮やかな映像は一生忘れられません。
その日の授業は急遽「なぜ湾岸戦争ははじまったのか」でした。

母は若かりし頃、駅前で反戦フォークを歌いデモに参加し
友人たちと酒を飲みながら語り合うのが好きだったという。
(でも熱烈な反戦家ではなかったのだと思う。)

私が「ベトナム戦争」と聞くとなぜかいつも
今からは想像できないほど若い母がギターを担いで
歩きながら歌っている姿をイメージしてしまう。

鉄腕アトムもドラちゃんも出てくるだろうと
子どもの頃に想像した21世紀。

人類は未だに戦争がやめられないでいます。

今日は別に難しい話とか反戦の話とか
資本主義どうこうとか書こうとは思っていません。

ただ、私は時々無性に戦争物をみたくなるのです。
映画と本くらいしか知識は拾えないけど
とにかく物凄く戦争を題材にした「人の作ったもの」を
読んだり見たりしたくなるのです。

軍需マニアでは無いし血とか爆弾とかに
ウキウキする訳じゃないし楽しくて見ている訳ではなくて。

何かに操られているのか
それとも私のM性からなのか(笑)

別に「人類の愚かな所」を見たい訳でもなさそう。
(↑自分のことなのに理由が曖昧)

だけどなんとなくだけどそういう時は
「見なきゃ」というのにとても似た気持ちに
なっていることは確かです。多分なってる。

へんな責任感なのかな。
いや、多分「戦争」も含めて人間がしてきたことや
しでかしたこと全てが、私にとっての面白さなのだ。
不謹慎に聞こえるかもしれないけれど
私は知りたくてたまらない。

痛みや怒りや悲しみや喜びが。

人間の義務とは言わないけど(←何様だよ、になっちゃうから)
忘れてはいけないことってある。人間のルールとして。

この本は近藤紘一さんが見た「事実」だ。

『一国の首都陥落前後という決定的な時期が日を追って
克明に記されている。それ自体が貴重な記録であることは
いうまでもないが、登場人物たちの生彩がそれにまたとない
肉や果汁や香りをつけている。それがユニークな一滴の光である。』

           開高健 ~ まえがきより抜粋 ~

86年、近藤さんは亡くなられています。
私ももっと彼の目撃した様々な事を読みたかった。

人間には寿命があるから
人はどんどん忘れていくから
だからこそ「本」はあるのだと思います。

AKANE

金もーけプロジェクト

            k.m.p.の金もーけプロジェクト。

ムラマツエリコ なかがわみどり(著)
メディアファクトリー ¥924(税込)

私は雑貨屋の店主なのでよくいろんな人に
「お店持つなんて凄いですね~」とか
「どうやったらお店を作れるんですか?」とか
素朴な疑問からその人の将来に繋がる相談(?)まで
いろんな方向で質問されることが多いです。

実際はぐうたら能天気なただの人なのですが
肝っ玉おっ母っぽい風貌ゆえなのでしょうか。

そんな訳で今回ご紹介する本は
「お店を持ってみたいと思ってる人」
「自分の作ったものを売りたい人」
「どうやって生きていくか決めかねてる人」に
読んで頂きたい本をご紹介します。

まずは k.m.p. の名前の由来から。

そのものズバリ
「金(k)もーけ(m)プロジェクト(p)」。

一攫千金の本でもねずみ講の本でもありません。

会社という枠の中から飛び出して
「好きなことを仕事にして生きていこう」という
お二人の初期の頃を正直に描いた本です。

同じ職場にいた頃の二人はそれぞれいくつも
仕事を抱えながらあれこれ話したり、ものを作ったり
フリマに出店したりしていました。

仕事をやめる=それはお給料が無いということ。

それでも「好きなことを仕事にしたい」と会社をやめ
フリマに出たり雑貨を委託したり試行錯誤の連続。

「お休み」も「ボーナス」も「残業手当」もつかない毎日。

「すきなこと」だけですぐに食べていくのは難しく
アルバイトを重ね、その経験すらも作品や
ディスプレイの参考に生かしていく二人。

今では「旅本作家」や「絵本作家」を主に
イラストやグッズ販売(ネット通販)なども手がけ
彼女たちの本は重版再版品切れ続出で
発売日などには平積みされている程のお二人ですが
河原でクリームパンを半分こしたり
フリマで予想以上の売上があると狂喜乱舞して
百円くるくる寿司に向かったり(笑)

いつかはふっかふっかのホットケーキを食べるぞ!と
コツコツがんばってきた二人。

この本から学べることは
すきなことで『仕事』をつくることだけじゃなくて
仕事仲間としてのお互い(相手)を思いやることだったり
ものを作ることや工夫することの楽しさだったり
失敗からの発見だったり二人で何かをする時のコツだったり
麦茶のおいしさだったり(笑)貧乏ならではの視点だったり
「楽しむ」ことの面白さだったりと色々です。

実は去年k.m.p.の通販で私はカルトゥーシュを購入しました。
(エジプトのヒエログラフィーを使ったアクセサリーです)
ペンダントトップのみの注文というとても小さなお買い物でしたが
丁寧かつとても温かいお二人の意気込みたっぷりの包装と商品に
私はただただ感激したのでした。(ミーハーだからではなくて)

勿論「好きなことを仕事にする」にはそれなりの才能と
努力や評価が必要なのは大前提です。
だけどやっぱり仕事は機械がするものではなく
人がするものなのだ、と改めて感動したのでした。
信用だったり信頼だったり気持ち良さだったり。

この本はご本人たちも「文章が多いので疲れますよー」と
おっしゃっているのだけどかわいくてオトボケなイラストたち
だけではなくしっかり読み応えがあります。(そこがk.m.p.!)

私は今でも疲れるとこの本を読み直します。
「ムラマツさんとなかがわさん」を勝手に
「私とさとこ」に置き換えながら読むのです。

笑いながら泣きながら
希望とコーフンを与えてくれる大切な一冊です。

■k.m.p. のお二人のホームページはコチラ■

AKANE

しあわせ道場

            しあわせ道場

山田スイッチ(著) 智恵の森文庫 ¥580(税込)

なんか最近軽めの本ばかり紹介してる??
いえいえそんなことはありません。(気のせいです)
確かに大部分が“積ん読”になってますが・・・
どれもこれも私の血となり骨となっている
大切で大好きな面白い本ばかりでございます。

1月中旬から始めたこのBLOGですが
2月になったし更新頻度を減らそうかとも
思ったのですが、ランキングは気になるし
紹介したい本は山のようにあるしで
なんとなくそのままのペースで
いけるとこまでいこうじゃないかと
3人でこっそり話し合ったのでした。
いつかネタ(本)が尽きたらどうするんだろう・・・

という訳で今日はキョーレツなパンチ(作品)でいきまーす。

今日のオススメ本は山田スイッチさん。
とにかくみなさま読んで下さい。
もう土下座までしちゃいます。(勢い余って転倒しちゃうくらい本気)

この本との出会いは きょうのいまいずみ ~アナ話
でお馴染みの今泉清保さんのBLOGでした。
みなさんもご存知だと思いますが今泉さんははなまるマーケットの
アナウンサーさんでもあり、昔からのズームイン朝フリークなら
知らない方はいらっしゃらないと思います。

私のお気に入りBLOGの1つでもある今泉さんのブログですが
アナウンサーさんとは思えない(へんな言い方ですが)
洞察力と探究心とほのぼの感と良い加減(ヨイ加減)をお持ちの方で
毎日のBLOG散歩コースの1つでもあります。

その方がオススメするなら、と探して購入したのがこの本。
つまりなんというか「お墨付き」な訳です。
(今日のこのテンションが自分でも謎。読みにくくてごめんなさい)

『ミステリーハンター(世界不思議発見の)を目指し上京
紆余曲折あって第一回ぴあコラム大賞を受賞。
白塗りダンサーを経てコラムニストに。』
(彼女の経歴だけで思い出し笑いをしてしまいます。)

かつてここまでOPENなコラムが存在したのでしょうか?

不能の人(今は違うそうですが)ケンさんの
生涯の伴侶となった山田スイッチさん。

結婚までの長くて短い波乱だらけの道のりの中で
人生のことセックスのことサイババのこと締め切りのこと
新婦なのに結婚式の二次会のことなどなど

あらゆることを考え仕切り安心し翻弄されるスイッチさん。

あぁぁ・・・どうして私には文才が無いのでしょう。
こんな文じゃ面白さの100分の1もお伝えできません。

この本の感想を擬音で表現すると

ガツーン トコトコ ボッコリ ホワワワン ドッカーン

こんな感じなのです。(うううう!じれったい!)

◇この本は一人で読んで下さい。(電車や公共の場ではキケンです)
◇この本はティッシュが必要です。
◇この本は「結婚」したくなる可能性がありますのでご注意下さい。
◇この本はジェファーソンを応援したくなります。
◇この本はミラクルです。

だめだ。こんな説明じゃ誰も読みたいと思ってくれない・・・
うわーん!とにかく読んでくれよー!って泣きながらお願いします。

・・・。
店主がここまで取り乱して強気でオススメするなんて
よっぽどのことだと思ってくれた人だけ読んで下さい。

最後に帯の言葉でしめさせていただきます。

『嗚呼、人生大安売り。 松尾スズキ』
ここまで書いていいの!?
笑った後に、温かい気持ちになる実録恋愛エッセイ!

なぁんだ。
こんなに簡潔な紹介文があったじゃん・・・。

このブログの読者のみなさま、おバカ店主を
どうぞ見捨てないでくださいませ・・・。
ですが店主はこの本を本気でみなさまにオススメしています。
しあわせって多分こういうこと。

AKANE